新田醸造 六代目 新田慶秋(よしあき)です。
いつも新田醸造の味噌を手に取ってくださり、本当にありがとうございます。
2026年4月1日より、価格改定を実施させていただくこととなりました。その背景と、私たちの考えについてお伝えいたします。
この文章を書きながらも、正直に言えば、 値上げの話をするのはやはり気が重いです。
今回の価格改定について、原材料費(国産大豆・国産米・国産大麦)をはじめ、包材費、エネルギー費、物流費、人件費など、味噌づくりを取り巻く環境は年々大きく変化しています。
特にお米と運賃は「気づいたら」ではなく「はっきり分かる形」で上がりました。

新田醸造は創業以来、木桶仕込み・天然醸造という製法を軸として、時間と手間を惜しまない味噌づくりを続けてきました。
コストだけを考えれば、原料を変える、工程を簡略化する、といった選択肢もあります。
ですが、日々の食卓に自然と馴染み食べ続けても飽きのこない味わいは、この手間のかかるやり方からしか生まれないと考えています。
二年前の2024年4月、新田醸造は価格改定をお願いしました。その際も長文で説明を書きました。
あのときは 「このままでは続けられない」という、かなり切実な状況でした。ですが、それでも多くの方が変わらず味噌を買い続けてくださいました。
「応援しています」
「この味噌じゃなきゃだめなんです」
あの言葉がなかったら、いまの新田醸造は恐らくありません。

あれから2年経ち、おかげさまで少しずつですが蔵は前に進んでいます。新しいスタッフを迎え、昨年12月には、長年手を入れられなかった店舗も改装できました。
以前からお付き合いのあった料理人の方に加えて、新しく新田醸造の味噌を使ってくださる料理人の方も増えています。
プロの現場は、とてもシビアです。そこで選ばれ続けているという事実は確かな自信につながっています。
この流れを一過性のものにせず、きちんと根づかせ、広げていくこと。これからの新田醸造にとって重要なテーマです。

正直に言えば、 値上げという判断に迷いがなかったわけではありません。
ただ、今回の価格改定は前回のような 「苦しい」という理由だけでもありません。
「品質を落とさない。むしろ更に上げる。」
「蔵で働く人たちが安心して働ける環境を整える。」
「改善や挑戦に、きちんと投資できる状態をつくる。」
「この味噌を、次の世代にも胸を張って引き継げるものにすること。」
それが私の責任だと考えています。

最後に価格を上げるという判断が、皆さまのご負担になることは十分承知しております。
それでもなお 「この味噌を選び続けたい」と思っていただけたならこれ以上ありがたいことはありません。
なお新田醸造から配送会社にお支払いする運賃自体は上昇していますが、お客様に直接ご負担が増えないよう、送料については現状を維持する判断をいたしました。
これからも新田醸造は、日々の味わいに自然と馴染みながら、それでいて、少し誇れる味噌を、愚直に丁寧につくり続けてまいります。
どうか、これからも新田醸造を見守っていただけたらうれしいです。
新田醸造 六代目
新田慶秋